〜 第32回 日本有病者歯科医療学会 総会・学術大会参加 〜

興味深い講演が多くあったのですが、その中でも兵庫医科大学 岸本教授の薬剤関連顎骨壊死対策のポジションペーパーの改訂(教育講演2)のお話しが内容的に濃く、これからの臨床に活かせるものであったため、こちらで一部触れておきます。
歯科治療(主に抜歯などの外科処置)を行う際、骨粗鬆症や悪性腫瘍をお持ちの患者さまはかかりつけ歯科で使用しているお薬を確認されたことや、休薬を指示されたことなど経験はないでしょうか。
診察時・治療時に薬の確認を行うことはどの患者さまに対しても当然なのですが、以前は抜歯時に薬剤関連顎骨壊死(骨を強くするお薬などの影響であごの骨が腐る病気)が生じるリスクを考慮し、これらの薬(ビスホスホネート製剤と言われる骨粗鬆薬やデノスマブ製剤など)を休薬することを勧めていた時代がありました。
しかし、このような薬を休薬することで医科的には、骨粗鬆症が進行することに伴う脆弱性骨折などのリスクもあり、以前の顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2016では侵襲的歯科治療前のビスホスホネート製剤などの休薬については消極的な見解が出されていました。
この度、改訂される同委員会ポジションペーパー2023においても抜歯時にビスホスホネート製剤・デノスマブ製剤を休薬しないことを提案する(※推奨は弱いものであり、短期間の休薬を完全に否定するものではない。)と提唱されています。
また、医歯薬連携の重要性に関しても同ポジションペーパーおよび講演でも強く提唱されていました。
これらの薬剤の休薬に伴う医科疾患の進行・様々なリスクを考慮すれば、やはりこのような流れになるのではないかと私も感じます。上記の治療薬を使用されている患者さまに抜歯などの外科治療を行う際は、しっかり医科と連携し病状を確認した上で、これまで通り慎重に処置を行うように努めます。
本講習会参加で学んだ事を実際の診療においても、患者さまに還元出来るように努めます。 お口のことでお悩みなどあれば、お気軽にご相談ください。
2023年03月29日 13:05